Googleがストリートビューの発展形として「おみせフォト」というサービスを始めるそうだ。それを知ったのは私の渋谷ステュディオを撮影させてほしい、という申し込みがあったからだ。もちろん快諾し、撮影日まで何日か猶予があったので少し小綺麗に片付け、当日カメラマンの到着を待った。私は、特殊な360°カメラかなんかを持った撮影隊が現れて、まるでスキャンするようにスタジオ内を回ってサッと帰るのかなぐらいに想像していた。
しかし実際に現れたのは若い女性カメラマン一人で、機材は通常のデジタル一眼レフと魚眼レンズだった。聞けば、三脚を立てて入口から少しずつ撮って行くので、1時間ぐらいかかるのだという。そして撮った写真データはアメリカに送って、向こうで合成作業をするそうだ。
GoogleがIT業界の勝ち組と呼ばれて久しいが、その圧倒的なパワーを支える現場ではこんなプリミティヴで丁寧な作業が行われていることがわかり、私は少しうれしくなった。